松本清張2・・・「不運な名前」

久しぶりに夫と外食した後の会話。ここはテーブル会計です。

夫、カードを出しながら「そろそろ財布買わないとな〜。オレ、今までカード3回なくした。」

夫の財布は二つ折り、カード入れも緩そうで、いかにも落ちそう・・・

私「私そんなの一回もない。カード持たない方がいいんじゃない?」

夫「消費税、カード払いだと8%ってね。国はカード決済を推進したいみたいね。日本って現金志向が強いから」(微妙に話をずらす夫)

日本人が現金主義なのは、お札が精巧で信用度が高いから。旅行で外国の紙幣を準備したときなんか、我が国のものとひき比べて、旅行に行く前から「日本人、すごい」という気分になります。

さて、そろそろ「不運な名前」に入りますと・・・

ゲルマン紙幣というのがあって、これは、明治の始め日本が西洋式印刷でつくった初の紙幣だそうです。ドイツのナウマン社から取り寄せた原版で印刷したのでこう呼ばれています。

国家の威信をかけたこの紙幣が大量に偽造される事件が起きました。

偽造通貨は、現在でも無期または3年以上の懲役という重い罰則です。(刑法148条)犯人とされた熊坂長庵(くまさか・ちょうあん)は、北海道の樺戸監獄に入れられ、人生を終わりました。

しかし、彼は、偽造のための組織をつくったわけでもなく、技術があるわけでもなく。明治政府が当時の技術を駆使してつくった紙幣は、個人でできるほど単純でちゃちなものではなかったのです。

誰がこの男を犯人に仕立てたのか?今でも噂されている藤田組との関係は・・?

監獄が出てくるだけに、何となく重たい小説です。

今は電子マネーとかいろいろ出てますが、明治の人が聞いたらびっくりするだろうなあ。

 

 

 

 

投稿者プロフィール

古波蔵ふう香
古波蔵ふう香
猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。