お休みの日も、ふうちゃんの「ご飯ちょうだいにゃ」で起こされます・・・
「お稽古は着物30日トライアル」も3日目。
きょうの着物は、去年、踊り用に誂えたものです。
まだ袖を通していなかったので、本日が初日。
しつけ糸が袖に少し残っていたので手バサミでとりつつ、亡き姉とした会話を思い出します。
姉は和裁士でしたが、二人で着物の話をしたことはほとんどありませんでした。
私は高校卒業してそのまま実家を出たし、ほどなくして姉が結婚して実家を離れたので、会う機会が激減してしまいました。
第一、若いころの私は着物に興味がなかったので、たまに会っても話題にならないし・・・
ようやく私が興味を持ったときは、姉が病気になったころ。
お見舞いに行って「どうして着物は、完成品なのにしつけ糸をつけているの?」と聞いたら、
姉は「表と裏がずれないようにするためだよ」と答えてくれました。
洋服にだって裏地はついているけど、持ち主の手元に来るまでに表と裏がずれたら困るからって、しつけ糸がついている洋服は見たことがありません。この念の入れ方!着物ってすごいなあと感心したのと同時に、
姉と着物の話ができてよかった・・・と思いました。
結局、これだけだったけど。
姉は病気で意識が朦朧としてトンチンカンなことも言っていましたが、着物の話の時だけ、ぴかっと目に光が入ったのが見えました。
高校までは勉強も部活も適当だったけど、和裁学校だけは一生懸命だった姉。毎日針を持って、地道に課題をこなしていました。
ずっと正座して縫っていたから、ジーンズの膝が破けるのがお決まり。その成果?は意外にも祖母の葬儀で発揮され、私は足を崩してもなお持て余していたのに、姉だけはビクともせずに正座していました。
ああ、生きていたら着物の話ができたのになー。
そして、私の着物も安く縫ってくれたに違いない・・・
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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