久しぶりの着物で押入れをひっくり返していたら、姪から
「無事、振袖着られました」とLINEが来ました。
そうだ、ことしはこの姪っ子、成人式でした。
その写真を見て、おばちゃんは胸がいっぱいになりました。
姪が着たのは姉の振袖で、帯揚げやら帯締めなど小物はリニューアルしました。(写真はそのときのね)
「今どきこんないい着物はありませんよ」と呉服屋さんが言ってくれて、お店の人が全員見に来たとか。
商売上の褒め言葉にしても、我が家にとっても二枚とない思い出の着物です。
私は三人姉妹ですが、長姉は12年前に亡くなりました。私は3番目。
長姉は和裁士でした。長姉の結婚式に参列する用に次姉(姪の母親)にこの振袖を縫ったのでした。
つまり姪は、おばのお手製で、母親の振袖を譲り受けたわけです。
「おたくの3姉妹の中で一番長生きするのは長女さんですよ」と、私たちが幼いとき、かかりつけのお医者さんが母に言ったそうです。
事実、姉は病気知らずでしたが、その中で一番先に逝っちゃいました。お医者さんっていうのは過去の事例からしか物を言えないもんです。
くしくも姉が亡くなったのは成人式の日で、お正月から成人式へと続く時期は、日本人が一番和服を意識するとき。
そして姪が成人式を迎えたことしは13回忌。
でき過ぎー。
改めて長姉の結婚式の写真を見てみました。平成の初めのころです。
父も母も若い!
長姉も当然若い!
次姉は、色白、なで肩ほっそりで、この振袖がよく似合っています。母とは正反対の姪、前が合わせられないんじゃないかと心配していましたが、ちゃんと着られてよかった。
私は洋服ですが、若気の至りとはいえ、なぜアホみたいなイケイケな服を着ているのか・・・後悔だけしかない。
そして集合写真のほとんどの方がもうあの世に行っているという驚愕の事実に気がつきました!主役の姉夫婦からしてもういないし。
願わくは、姪が女の子を生んで、その子がまた成人式のときにこの振袖を着ているのを見てみたい。
でも女の子が生まれるかもわからないし、着物に全然興味がない子かもしれない。
いやいや、欲張らずに、姪の晴れ姿を見られただけで幸せとしよう。
きっとお姉ちゃんもあの世で喜んでいるだろう・・・と思うのでした。
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