「もう、いきなり犬の方に駆け出して、心配したよ!」クーが言います。
「ごめん、つい。知り合いに似てたから」
子猫たちはクリーム色のマンションから、いつもの公園に戻って来ていました。
「犬に知り合いなんかいたの?」
チビはふふっと笑って「知り合いに似てるっていうか。とっても気が合うの。ママもいい人間で、最初びっくりされたけど、すぐにご飯のお皿を出してくれたの!クーも来ればよかったのに」
「僕はいいよ。そんな無謀なことできないよ。初めて行ったところでご飯をもらえるなんて、運がよかったんだよ。
チビは、いつもの植栽の陰に着くと毛づくろいを始めました。クーは公園のご飯の時間なので出て行きました。キー子は最近、余り帰ってこなくなりました。子猫たちはそれぞれで過ごすことがふえてきました。
翌日、チビは再びチャーリーのマンションに行きました。
「あ、きのうの猫ちゃんが来た」チャーリーのママは、最初からごはんを用意してくれていました。
「わーーっ!」山盛りの猫フードです。チビは夢中でほおばります。野良の生活では、自分だけのお皿もないし、他の猫と同じお皿なので、お腹いっぱいにならないのです。
ほおばっている隣でチャーリーが言います。「ねね、僕のママ優しいでしょ?僕にもいつもおいしいご飯くれるの。」「うん、そうだね。チャーリーはいいね。」「そうでしょ!そうなの」チャーリーは胸を張ります。
食べるのをやめて、チビは、そっと聞いてみました。「ね、チャーリー、本当はコロ丸ちゃんでしょ?」
チャーリーは何も答えず、にこにこして尻尾を振っています。
チビはそれ以上聞くのをやめました。
チビは、それからほぼ毎日チャーリーのもとへ行くようになりました。(続く)
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