講談の女性たち

 

講談を習うようになって、野暮な自分も演芸場に行くことが増えました。

講談っていうのは、「赤穂浪士」とか「宮本武蔵」とか時代劇が多く、時代劇で活躍するのは男性ですから、圧倒的に男社会です。

そんな中でも、神田紫先生始め女性の講談師の演目は女性目線で、数少ない女性の出てくるお話を演じてくれます。

 

講談の女性たちをちょっとだけ紹介します〜。

「山内一豊の妻」

超有名な話で、馬を買うお金がないと悩む夫に、10両の大金を懐から出してきたときのセリフがクライマックス。

「結婚するときに親から、

縁あって山内家に嫁ぐ上は実家を振り返るな。

山内家の土になれ。

万一、山内家に事あらばこれを使え」と渡されました」と。

 

実は、言わないけど、親はこうも言ったに違いない。

「このお金は簡単に使うんじゃないよ。

お前の夫となる人はボンクラかもしれないし、放蕩者かもしれない。

お前の献身を全くありがたがらない傲慢な男かもしれない。

見極めがつくまでは黙って握っておくんだ。いいね?」

 

これは亭主には言えない。

私は毎日10両に見合うだけの人物かどうかあなたを査定して、合格しましたよとは。

 

似た話に、「木津(きづ)の勘助」があります。

主人公、勘助は男っぷりのよさで町一番の人気者。

そんな勘助に惚れたのは豪商淀屋のお嬢様。どうしても勘助さんと結婚したい!と再三申し出ます。

勘助は当初、乗り気ではなかったのですが、

「お金持ちのお嬢様じゃなくて、持参金も持たず、豪華な嫁入り道具も持たず、ただの娘として嫁ぐならいいよ」と折れます。

そうはいってもお嬢様なので、所帯のやりくりも下手で、気がついたらツケがあちこちにたまって、勘助も困ってしまいます。

そのとき、やはり懐から持参金(⒊000両!)を出すのですが、

「これを使っていい生活をすると、女房のお金で暮らしていると丸分かりになっちまう。」

と、ツケだけは支払って、残金で、度々洪水していた木津川の治水事業をするんですね。それで木津の勘助と呼ばれるようになったとか。

最近も、結婚するのしないのともめている旧家のお嬢様がいますが、勘助の言動が参考になるんじゃないかな。

 

さて、私がいつかやってみたいな〜と思うのは、

「妲己のお百」(だっきのおひゃく)!!

以前、神田桜子さんの講談で見たときは、「久しぶりに会った昔の男を騙して殺す遊女」という感じかな〜と思ったけど、調べたらもっと悪い女だった笑

長くなったのでこの辺で。

 

ふう

かわいい後ろ姿。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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古波蔵ふう香
古波蔵ふう香
猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。