ふうちゃん「にゃーお」
ふう香「なあに?ふうちゃん」
ふう「ねえ、ふうちゃん、いつ出るの?これ、ふうちゃんの物語だよね?」
ふう香「もうすぐ出番だよ。はい、台本渡しておくから練習してね」
ふう「わーい!ぶつぶつ・・・完璧!」
ふう香「もう覚えちゃったの?北島マヤか!」
ふう「あー、疲れたー」ごろん。ふうちゃんは寝始めましたとさ。
というわけで、ふうちゃん物語・夏!!
「かんぱーい!!お疲れさまー!」
渡店長、ふうちゃんのお父さん、えりぃ、マナ、ショップの店員たちは、本日の慰労会で居酒屋に来ていました。
「いやあー、一時はどうなるかと思ったけど、大盛況だったよねー」
「済みません、店長。もとはと言えば、台風が来るってわかっていながら当日の午前に移動してるからで・・・」おくれて到着したえりぃは恐縮しまくりで、きれいにお化粧した目元を曇らせました。
「まあ、この台風の進路もわかりにくかったしね」お父さんが言います。
「それにしても、マナちゃんにはびっくりしたねぇ。急に歌い出すんだもん。」話題は自然にマナになります。
「最後の「ジントーヨーワルツ 」ほんと俺びっくりしたよ。事前に何歌うかも聞いてなかったんだけどね。あの歌、かなり前でしょ。適当にごまかすこともできたんだけど、うーんって考えたら一瞬思い出して、ああー三線弾くのが俺でよかったーって思ったね」
伴奏した金城さんの言葉でみんなはどっと笑いました。金城さんは50過ぎのおじさんで、音楽好きの余り三線屋さんになった人です。
「あの曲、うちの親が好きで、よく聞いてたんです」
「親!そうだよねー、そのくらい古いよねー」ふうちゃんのお父さんにとっては20代のころの曲・・・なので、改めて時間の流れを感じるのでした。
「マナちゃん、あんなに上手だとは・・・今度カラオケ一緒に行きましょう!」泡盛コーナーの与那覇君だけでなく、あの歌声には一同本当に感心しきりだったのですが・・・えりぃだけが素直にうなずけませんでした。
えりぃがかけつけたときは、マナが歌い終わる直前でした。その澄んだ声とお客さんの拍手・・・後に歌った自分はファンから声援ももらったけど・・・一見のお客さんがどちらに強い印象を持ったかは明らかでした。雨がやんだからと、自分の歌の途中で帰る人が大勢いたのです。
「こんな上手な子がいたんだ・・・なのに、この子、ただの店員なの?」
マナは、みんなに賞賛されても、淡々として、謙遜もせず得意ぶるわけでもなく「そうかな?」という程度のもので、そんなマナを見て、えりぃは嫉妬せずにはいられないのでした。
その様子を見て、かりゆしウェア担当の小杉さんが話しかけました。
「ねえ、えりぃちゃんってかわいい名前、「ちゅらさん」からつけたの?」
ふうちゃん考え中〜?
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