「飯が来た!!」「急げ!!」
あたりの空気が一変し、どこからか、十数匹の猫が一斉に広場に向かって走り始めました。
チビたちのたどりついた緑山公園は、猫好きな人が定期的にご飯を持ってきてくれる公園でした。
チビとクーは突然のことで完全に出遅れて、一番最後に走っていました。
驚いたのはキー子の敏捷さです。
キー子は大人の猫ばかりの先頭集団に加わり、あっという間にお皿の一番いい場所をゲットし、思い切りご飯に食らいつきました。
「何だ、お前!」「どけ!邪魔だ!」猫たちはお皿の周りでもみ合いへし合い。
「何、この子は!」茶色と黒の混ざったサビ猫がキー子を押しのけてきたので、キー子も負けず、サビ猫に思い切り体当たり!
サビ猫はまさかの逆襲にちょっとふらついたものの、体当たり仕返し、大人なので体力が勝り、キー子を押し戻しました。
チビとクーには到底入れない修羅場で、これではご飯にありつけません。
そこで、「にゃおおおーーーん!私にもご飯ちょうだい!」とチビが一声鳴くと、「あらっ」「子猫がいる!」と人間が気がついてくれて、子猫の前にお皿が置かれ、他の猫に大半食べられましたが、少しだけお腹が満たされました。
ご飯の騒動も静まり、三匹は最初の植栽の影にいて毛づくろいをしていました。夕方の涼しい風が吹いてきていました。
「あんたたち、ここにいたのかい。ちょっと用があるから出てきな!」
三匹が表に出てみると、さっきのサビ猫が正面にいて、気がつくと、周りをぐるりと猫たちに囲まれてしまいました。
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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