ちむどんどん本編から離れて勝手に作ったストーリーです。興味ない方はスルーしようね。
優子が修堅(しゅうけん)にーにーと収容所で出会って、そのまま逃げ出して数年・・・
那覇の夜〜。歓楽街のとあるバーにて。メガネをかけた風采の上がらないアメリカ人の横に座っているのは、優子でした。
長い髪は背中にぞんざいに流し、唇は無駄に赤く、青白い顔に冴えています。胸元もスカートも下品な露出こそしていませんが、獲物をそそっているのは確かです。
「ペラペラ・・(米経済がどーたらこーたら)・・・」美人を前にして硬い話をしてしまうのは、このアメリカ人が遊び慣れていない証拠。優子はそんなアメちゃんを潤んだ瞳で見詰めて「アーハン?」とか「でーじ?」「まさかやー」と英語風に発音して相槌を打っていました。どんなだ。
そのうちメガネのアメリカ人が話し疲れたら、にっこり微笑んで相手の太ももにそっと手を置いて「まーさん?(おいしいかしら?)」と言って店を出ます。意味分からんけど。メガネは、もう子犬のように尻尾を振ってついてくるわけー。
優子は、人気のない暗い路地にずんずん進んで、ふっと振り返り、「じょーとーねぇ?」と言うと、これを合図と心得たヤンキーが抱きついてくる!その瞬間「やー、アメリカー!ならんどー!」修堅(しゅうけん)が出てきて一発殴って、相手が倒れた隙に財布をゲットして逃げます。路地は複雑に入り組んでいて、追いかけてこれません。
二人は、ゴタゴタした通りの一番奥まったところにある小さな食堂へ入りました。「おばさん、帰る間際でごめんね、そば二つ」「いいよ、おあがり」おばさんは店に入り直して準備を始めました。優子は昼間はこの食堂で働いていて、「夜の仕事」が終わると、いつもここで修堅二人してそばを食べるのでした。
「あのアメリカー、意外と持ってたなー、今日は収穫さー」と言いながら修堅はお金を数えます。
修堅という男は、親が琉球舞踊の師匠という、まあ芸人だったせいで、ふわふわと享楽的なところがありました。
地道に働く気は全くなく、平和な時代なら「ぽってカス」と言われるレベル。しかし、戦争で心の荒んだ優子には、テキトーに生き散らかしている修堅の明るさはある意味救いでした。
この美人局も修堅の考えたお遊び。狙うのは、政府の役人でのアメリカ人で、モテないタイプばかり。下手にプライドが高いから他言しないし、遊び慣れていないから扱いやすい。高額紙幣を数枚抜き取って、財布はリリースしているので、泣き寝入りというわけ。
優子はそばをすすりながら、「もう、このスカートきつい」とチャックを下ろしてお腹を緩めました。顔色が悪いのは、薄暗い電球のせいばかりではなく、妊娠しているからでした。
「奥にうちの服があるから、着替えたらいいさー」おばさんが水を持ってきてくれました。おばさんの家族は戦争で亡くなったと出会った頃に聞きました。そのせいか、優子にはよくしてくれるのでした。
「おばさん、ありがとう。でも、うちなんかが親になれるかなあ?」優子の顔がやっと和らぎました。「大丈夫さー、子供が親にしてくれるさー。早く抱っこしたいねえ。お父さんもしっかりね!」おばさんは話を修堅に振りました。
「だからよー、わったーも父親になったら稼がないといけないと思うわけ。先輩でさ、経済に詳しい人がいるわけ。その人が、これから絶対上がるアメリカの株があるから共同出資して買おうって。これが当たったら、優子や子供に大変な思いはさせないさ!」修堅が自信満々に言いました。
ああ、カエルの親はカエル。もうお分かりですね。お腹の中の子は賢秀です。この後、どうやって優子は賢三に出会うのかー?続く!
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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