ちむどんどんの本編から離れて勝手に作ったストーリーです。興味ない人はスルーしようね。
長くなったけど、これで終わりさー。
「先輩でさ、株に詳しい人がいるわけ。その人が、絶対上がるアメリカの株があるから共同出資して買おうって。これが当たったら、優子や子供に大変な思いはさせないさ!」修堅(しゅうけん)が自信満々に言いましたが、
優子は珍しく強く反論しました。
「何言ってるわけ?今日のアメリカーが、戦争特需がなくなってアメリカは今大変って言ってたよ!大体、その人どうやってアメリカの株を買うわけ?怪しいさ!」優子は、ダテに毎回アメリカ人の話を聞いていませんでした。ヒアリングばっちりさー。
「何?面白そうな話さねー。もうちょっと聞かせて!」なぜかおばさんが興味を示してきました。
「もう、先に帰る!」「いいさ、先に帰れ!」
優子は、さっさと着替えて、風呂敷包を持って店を出ました。中には商売道具のブラウスとスカートなどが入っています。梅雨の明けた沖縄は夜なのに蒸し暑いです。
ふと夜空を見上げて、「沖縄で一番大きな星になってねーねーを見ているよ」と言い残して亡くなった弟・秀夫を思い出しました。「今のうちは秀夫にも、亡くなった家族にも見せられないね・・・」
帰るといっても、修堅の友人が間借りしているところに居候していて、とても落ち着けるところではありません。修堅と収容所を出てからは、いつもその日暮らし。美人局で得たお金はほとんど修堅の博打や酒代に消えていました。
「子供もできてしまって、これからどうなるんだろう?」とぼとぼ歩いていると、大通りが騒がしいのに気がつきました。大声で叫んでいる声が聞こえます。「何かあったんですか?」「火事だよ!裏通りが大変さ!」
「ええっ!」裏通りにはおばさんの食堂があるのです。優子は急いでもと来た道を引き返します。夜中なのに野次馬でごった返し、裏通りは火の海、店は通りの一番奥にあったのでとても立ち入れません。
「修堅さん!おばさん!」「危ない!その先に行っちゃダメだ!」優子を引き止める強い腕がありました。優子は腕を振りほどこうと「離して!」と言うのと同時に、それが懐かしい声だと気がつきました。
「優子ちゃん?」「え?」賢三でした。
火事場で奇跡的な再会を果たした優子と賢三。修堅(しゅうけん)とおばさんが担ぎ込まれた病院へ行ったのは、もう夜明け前でした。
家族の消息を探しに東京から戻った賢三でしたが、「それで会えたの?」という優子の言葉に、うつむくだけでした・・・
病院の中は傷の手当てをする人でごった返し、どこに修堅とおばさんがいるのやら。火事の原因は米兵同士の喧嘩のようで、あちこちに包帯を巻いたヤンキーがいましたが、二人の姿がありません。
「あ、あそこに・・・」やっと見つけた二人は静かベッドに寝かされて、修堅の顔を見た優子は冷たいものが走りました。
「優子ちゃん・・・」そのときおばさんの意識が戻りました。「おばさん!」「け、賢三じゃないか」
賢三はおばさんに駆け寄ると、手を握り、「おばさん、こんなところで・・・」驚く優子に「知り合いなの?」「おばさんは僕の母の姉で、早く亡くなった姉に代わって母親がわりに育ててくれた人で・・・」
「賢三、し、修堅は・・・」おばさんは目で探しますが、もう見えていないようでした。「修堅が・・・倒れた柱からかばってくれて・・・お礼を・・・」
「わかりました、大丈夫です、伝えておきます!」おばさんの意識がどんどん遠ざかるので、賢三は必死でおばさんの耳元で語りかけました。
その世の放火は一帯を焼き尽くし、優子のお腹の子の父親、そして母親がわりのおばさんの命を奪いました。そして同時に、優子と賢三を再び巡りあわせたのでした。
物語が途中になっていたので、加筆しました。急ごしらえで済みません。
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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