きょうもチビたちはお腹を減らしていました。
「お腹ぺこぺこ・・・ああ、ミャー子は飼い猫でいいなあ。」
クー「もうすぐ人間が来る時間だよ」
チビ「そういえば、ミャー子から全然交信がないんだけど」
クーもキー子も、ミャー子からは音沙汰ないと言いました。
「飯だ!」「飯が来たぞ!」
子猫たちも走って広場に行きました。
チビたちのお皿に、見慣れない大人猫がいました。毛並みはぼさぼさで、ふらふらしています。目つきもおかしく、何かぶつぶつ言っています。
チビが口をつけようとすると、いきなりシャー!っと威嚇してきました。
キー子「なんだお前は!やるか!」
焦点の合わない目でキー子をちらっと見て、ぶつぶつ何か言っています。「ごはん・・・ごはん・・・オレの・・・オレの・・・」
こいつ変?キー子が思った瞬間、その猫はいきなりキー子に襲いかかってきました。
「ギャーーーッ!!」
間一髪、猫が襲って来た瞬間にクロが撃退、変な猫は、顔に傷を受けて、逃げて行きました。
クロ「危なかったな。
今のやつは、しろがねアパートから来たやつだ。
生まれたときから狭いアパートの一室に二十匹ぐらい多頭飼いされて、社会性もなく、かといって人間への信頼もない。つまり飼い猫でも野良猫でもない。そいつらは依存心が強く、凶暴だ。
お前は元飼い猫だったろう。誰でも彼でもふっかけるんじゃない。
野良の世界は変な奴が山ほどいるんだ。まともにやりあってたら体がいくつあっても足りないぞ。
まず、変な奴を見極めること、そして決して近づかないことだ。」
キー子は決まり悪そうに聞いていましたが、ぐーーーっ、きゅるるるるーーーぅ。キー子のお腹が鳴りました。
クロはふっと笑って、「お説教はもういいだろう。わかったらおあがり」
初めて見る優しいクロの顔でした。
チビたちはだんだん野良の世界のことがわかるようになってきました。
猫たちは自分の縄張りの中で生きていて、その外には行きません。
縄張りの外に行くと他の猫の目が気になります。
つまり、チビのいる緑山公園にいる猫たちはほぼこの公園を餌場にしていました。
でも、人間のくれるご飯に対して猫はたくさんいたので、チビはいつもお腹をすかせていました。
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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