ふうちゃん物語(8)美猫のレオ様

キー子の一件以来、子猫たちに喧嘩をふっかけてくる者もなく、むしろ仲間として認識されるようになりました。

それでも人間のくれるご飯だけでは足りず、子猫たちはいつもお腹をすかせていました。

動くとお腹が減るのと暑いので、いつもの植え込みの陰でじっとしていました。季節はもうすぐ夏でした。

猫のテレパシーでママとはつながりますが、ミャー子とは相変わらずつながりません。

チビは、目をつむっていると、時々、何かきれいな、音楽のようなものが聞こえるのが不思議でした。

「これは何だろう?・・・」

「子猫ちゃんたちこんにちはー!」

またトラ猫のチョボが来ました。そしてその隣に・・・子猫たちは驚いて目を見張りました。

何と、長い毛並みを持った、美しい猫がいたのです。

茶色のつやつやの毛皮に高貴そうな顔立ち、外国の貴族のお屋敷がぴったりの猫でした。

「これ、オレっちの友達!レオっていうんだ。」

「初めまして!レオっていいます!」レオはざっくばらんに挨拶しました。

「あ・・・あの・・・」チビたちは声が出ません。

「あ、あのね、緊張しないでね!僕、こんなだけど、めちゃくちゃ庶民の出だから!

僕、生まれは田舎の大工の親方んちなの。ね、庶民でしょう?

親方もおかみさんも猫好きで、作業場にはたくさん猫がいたから、どこかの外国の猫と雑種が一緒になって僕のおふくろが生まれたらしいけど、なんせ野良の世界だからテキトーで。

材木置き場が遊び場で、大勢の仲間と毎日遊んで、夜になると職人さんたちと焚き火を囲んでおつまみもらったりして・・・ずっとあそこにいたかったなー。

でね、ある施主に、宝くじが当たった男がいたの。そう、1億円。田舎の1億だからでかいのよ。

その人タクシーの運ちゃんだったんだけど、もう舞い上がっちゃって、まず、趣味の悪い洋館をどーんと建てた!

それで、レースの出窓にきれいな猫ちゃんをはべらしたいっていうんで、僕が選ばれたの。

もう猫を飼う理由からしてダメダメだよね。でも、お世話になった親方だから、僕、もらわれていったの。当然世話なんかしてくれないけど、お嬢さんがかわいがってくれてよかったよ。

運ちゃんは、娘に高価なバイオリンを買ってやり、愛人を持ち、どうもその愛人ってバイオリンの先生だったらしいんだけど、自分でタクシー会社を経営するって事業を始めたんだ。

で、そのあたりでお金が尽きて、バイオリンがなくなり、奥さんと愛人が去り、会社がつぶれ、洋館も人手に渡って、もとのタクシー運転手に戻ったってわけ。

僕はバイオリンの先生のところにしばらくいたんだけど、飼い猫ってつまんないから、また野良に戻ったの!」

子猫たちはくすくす笑い始めました。

それを見て、レオはニコッと笑って、「今度僕のえさ場に行こうね!きょうはお邪魔したね、またね!」と言って、チョボと帰っていきました。

チョボとレオの帰り道の会話・・・

チョボ「なあ、どう思った?オレの娘だろ?」

レオ「うーん」

さて、親子鑑定の結果は・・・?

ふうちゃん