チビ「レオは何でまた野良になったの?飼い猫はご飯いっぱい食べれるでしょう?」
レオ「あ、僕?」レオは茶色の瞳をくりくりさせて、ふふっと笑いました。
レオ「飼い猫って退屈なの。かわいい女の子もいないしね。先住猫もヤローで、生きてるのがつまんなくて。」
「えーーっ、たったそれだけの理由で?」チビには信じられません。
レオ「・・・世の中に絶えて花香(はなか)のなかりせば、我はいずくに宿(やど)るべき・・・ってうたの文句、知ってる?
男ってのは、花の周りをひらひら舞っているチョウチョのようなもので、女がいないと落ち着く先もないって意味なの。」
「はあー?」クーもオスですが、理解不能な様子。
チビ「男はチョウチョなの?」
レオ「そう!花の周りを飛んでるだけ。
肝心なのは、最後は花がチョウチョを選んでるってこと。
チビちゃん、大きくなって好きな人ができたら、どんどんアタックするんだよ。猫の恋愛は女の子から始まるからね。
命を削って子猫を産んで守り育てる、これは母猫しかできないから、猫の恋愛は全部メス主導で始まって、オスは待ってるだけって神様が決めたの。」
「はあ・・・?」チビにはまだわかりません。
レオ「こうやって外に住んでると、チビちゃんみたいにかわいいのや色っぽい女の子に会えるのが楽しくて、性に合ってるの。
さあ、僕のえさ場に着いたよ」
公園のベンチのあたりに着きました。
レオはベンチの下にごろんと寝そべると、美しいのでまた大変絵になって、「わー!素敵な猫!」「見て見て!」と人間が寄ってきます。
レオもそれを心得ていて、おとなしくなでられたり、にゃーおと愛想を言ったり。レオの前にはあっという間にご飯やらチュールやら、ご馳走がならびました。
「レオ、すごーい!」チビとクーはおこぼれにあずかり、感嘆の声を上げるのでした。
チビは思いました。
「レオがご飯で喧嘩しているのを見たことがないと思ったら、ファンがたくさんいて、幾らでもくれるから争う必要がなかったのね。私もファンがいたら、もっとご飯を食べられるのに・・・
でも、レオみたいに美猫でもないし・・・やっぱり無理かなー・・・」
ご飯にも不自由なく、女の子にもモテモテで、自由を謳歌するレオ様・・・レオこそが猫の中の猫、貴族と呼ぶにふさわしいのでした。
「ミャー子はいいなあ、こんな心配しなくて済んで・・・」と返す返すもチビは思いました。
夜が来ました。真っ暗な中、公園の茂みがガサガサっとゆれて、ミャー子が顔を出しました。
少し痩せて、毛皮も汚れていました(続く)
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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