「ただいまー」お父さんが帰ってきました。「ふうちゃんは?」
「それが、お稽古終わってから姿が見えなくなったと思ったら・・・」
猫は洗濯機の裏に落ちていました。逃げようとしたものの、マンションで逃げ道がなく、うろうろした挙句落ちてしまったようです。
「わー、よくこんな狭いところに・・・埃がいっぱい!よしよし、洗濯機をどけてあげるからね。あれ?出てこないなあ。出てこないよ」
「あたしを三味線にするなー!」「動物虐待はんたーい!」人間ならこんなシュプレヒコールをするかもしれませんが、猫なので黙って籠城していました。
「お腹すいてきた・・・」
結局、反対運動は半日で終わり、ふうちゃんが出てきたときは夜になっていました。
ご飯をもりもり食べて部屋の中をうろうろしていると、ふと秘密の部屋のドアがあいているのが見えました。
部屋の奥には三味線が置いてあります。
そーっと部屋に入って、話しかけてみました。猫の皮なら、何か言うはず。
「ねえ、もしもし、失礼します、もしもーし」(続く)
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- 猫と和のお稽古にまっしぐらな私の毎日をつづります。
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