古波蔵ふう香 (三味線、講談、猫まっしぐらの投稿者)

ふうちゃん物語（４２）新しいお家、新しい私

ほどなくして、チビはチャーリーのママの友人宅へ、キー子はチャーリーママの妹宅へ引き取られ、クーは一人旅に出ました。

チビとキー子は一緒にチャーリーのマンションへ行きました。

季節は秋、チビたちの公園にもコスモスが揺れています。

翌日、チビはチャーリーのマンションへ行き、いつものようにご飯をもらいました。きょうのご飯はササミをゆでてほぐしたもので、チビの大好物でした。

チャーリーのマンションからの帰り道、チビの足取りは重いものでした。

チビとクーが喧嘩した翌日、チャーリーは散歩に出てきませんでした。

チビはきょうは一匹でチャーリーのマンションへ行きました。

「もう、いきなり犬の方に駆け出して、心配したよ！」クーが言います。

「ごめん、つい。知り合いに似てたから」

それからまた大分たって、すっかり秋も深まってきました。チビは、獅子の谷での出来事も余り思い出さなくなってきていました。そんなある日。

チビが戻ってから数日後の秋の夜のこと。

「キーちゃんどこ行くの？私も行く」チビが言いました。